〖リビンマッチ〗投資用マンションの売却

 

「Mr.リビンマッチが解説する不動産売却入門」今回は、「投資用マンションの売却」です。

マンションを売却するにあたり、居住用マンションと投資用マンションの売却では評価の手法や考え方が違うというのはご存知でしょうか。
ふたつの間に物理的な違いはなく、ただひとつ用途が異なるという点のみ両者の違いとして存在します。
その用途の違いによって、売却においてのアプローチが大きく変わってきますので説明していきたいと思います。

投資用マンションって

居住用マンションと投資用マンションでは購入者の観点は全く違います。
一般的に居住用マンションの購入を希望する人は、自分や家族がここに住んだらどれだけ便利で快適になるかという物差しでマンションを検討します。

居住用ですから、住み心地を最優先して日当たりや交通アクセス、間取りや周囲の治安など、実生活に根付いた条件を重要と考えます。
対する投資用マンションにおいて購入希望の方は、物件を実際に見ても「住みたい」というモチベーションはありませんから、設備や室内が予定どおりかの確認程度で終わってしまいます。

しかもオーナーチェンジ物件と呼ばれる現在進行形で借主が住んでいる投資用マンションの場合には室内を見ることさえもできません。
投資用マンションを購入しようという方は、このマンションを貸したらどれだけの利益が得られるのか、という観点から検討しています。
そしてこの利益の大きさというものを最も分かりやすく表したものが「利回り」なのです。

ですから翻って、住み心地が最高で日当たりも良く、交通アクセスも便利で間取りも文句なし、さらに周囲の治安が素晴らしくても、「利回り」が低すぎては投資家の目に留まることは難しくなってしまいます。

投資用マンションの売却には周辺地域の利回りの相場を正確に把握し、最低でも近隣のマンション物件と同じくらいの利回りを実現する必要があります。

また利回りの基準となる賃料ですが、築年数の経過にも影響されますので一定のまま変わらないというわけにはいきませんし、入居者が退去
してしまえば次の入居者が決まるまでは空室となり、その間の賃料収益も減ってしまいます。
空室になった際にはリフォームが必要となる場合もあるでしょうから別途費用もかかります。
投資用マンションの購入者は先々の賃料の変化や空室対策、リフォームの出費など様々な要素を考慮に入れつつ検討し購入を決定しているということを忘れてはいけません。

居住用マンションと投資用マンションでは不動産の査定方法も異なります。
居住用マンションにおいては主に「取引事例比較法」で不動産を査定されていますが、投資用マンションにおいては「収益還元法」が主な査定方法として使われます。

居住用マンションの「取引事例比較法」とは、同じマンション内や近隣にある類似したマンションなどの過去の取引事例や売り出し事例を比較して、そこに「時点修正」を加えて価格を算出する方法となります。
時点修正というのは過去事例の時点の不動産価格と現在の不動産価格の差を考慮して、時間経過による変動を加味した価格に修正することです。

つまり、居住用マンションでは過去の取引事例や地価などの、実際の事実を根拠とした数字から算出されるのに対し、投資用マンションの「収益還元法」というのは簡単に言いますと、「このマンションの賃料は○○円で、このマンションであれば○○%の利回りが欲しいから、よって物件の価格は○○円となる」といった考え方による方法です。
収益還元法の計算式というのは下記のようになります。

収益還元法査定価格=(想定年間賃料-固定資産税等の年間出資額)÷想定利回り

例として現在保有する投資マンションが管理費込みの賃料10万円で賃貸しているとして、固定資産税や管理費などの年間出資額が20万円、マンションの想定利回りを8%としますと、

収益還元法査定価格=(120万円-20万円)÷0.08=1250万円

投資用マンションはこのように査定価格を決定しています。
近くの似たマンションが○○円だったからという事実を根拠にしたものでなく、収益と利回りという仮説や理想から算出したものであるため、取引事例比較法と収益還元法では査定結果に大きな差が生まれる場合もあります。

これまで購入者の見方と利回りの重要性をお伝えしてきましたが、利回りが良いというだけでマンションの売却がうまくいくとは限らないというのも事実です。

例えば、都内で募集されている投資用マンションだけでも利回り10%を超える、高い利回りを誇る物件が数多くあります。
利回りが10%というのは出費を除いた単純計算で、10年で物件価格の元がとれるということです。
好条件の物件といえるかと思いますが、これほどの高い利回りの投資用マンションでさえも売れ残ってしまうというのは、実はよくあることなのです。

その理由のひとつとして、物件の築年数が古すぎる場合というのがあります。
すでに40~50年も経過しているマンションであれば、例え10%を超える高い利回りであったとしても購入したいと思う人はなかなかいません。

購入してしまうと自分の「資産」となる訳ですから、その資産である建物が旧耐震基準となることは購入する側からすると大きなマイナスとなります。

運用期間が決まっていて、期間の満了に伴って建物を取り壊さなければならない定期借地権マンションの場合であればなおさらです。
また購入する段階で建物の耐用年数に対する残存年数が10年や15年であれば、購入価格の元を取るだけで終わってしまいます。
その他の理由としては、例えば見せかけだけの高い利回りを標榜するために、近隣の相場と比べ賃料の設定が高すぎる場合があります。
無事入居者がいたとしても、退去後には大幅に家賃を下げなければなりませんので、現実として高い利回りを維持していくことはできないのです。

また、駅から極端に遠いなどアクセスの良くない立地のマンションなどは、賃貸入居者の募集をしても敬遠されがちになってしまうため、投資家の反応も鈍くなってしまいます。

さらに、建物の状態や共用部分の管理状態も検討する際の重要なファクターになるのですが、管理費や修繕積立金が高すぎる物件も、投資家には敬遠されてしまいます。
以上のような理由から、投資用マンションには利回りの高低だけを優先して考える訳にはいかない難しさがあると言えます。

上記のように投資家のマンション購入の検討材料には様々な要素の評価が入り組んできますので、投資用マンションの売却には全体的なバランスをとることが重要となってきます。
どういうことかというと、例えば比較的新しく立地も悪くないようなマンションであれば、近隣の相場と同等以上の高めの利回りで価格を設定したり、築年数のある程度経ったマンションや交通アクセスなどの条件が多少悪いマンションであればその分を反映して価格を下げ、デメリットをカバーできる利回りで価格設定するといった感じで、マンションの特徴に合わせてバランスをとった価格設定が重要になるということです。

このあたりのバランスの感覚というのは売主の個人判断では難しいところがありますので、不動産のプロの意見を取り入れることもお勧めします。

その際にはもちろん信頼のおける、最適なバランス感覚を持った不動産会社を選ぶ必要があります。
リビンマッチのサイトでは登録している多くの不動産会社が売却査定実績とともに紹介されており、比較することもできますので試してみるのもいいと思います。

売却の際には最終的に自らの決断が必要となりますが、判断材料を増やしたり絞ったり、また盲点を消していくためにも、自分以外の視点やアドバイスを取り入れてバランスをとることは大切なことだと思います。