〖スマイスター〗オークション取引のポイント

波

入札の多さは市場の最高値に無関係

通常のオークションでは、入札総数が多く活況を呈しているようだと、「競り売り」が機能して、買手が商品を奪い合うように買っているように見えます。しかし、不動産の「オークション取引」では、「入札総数の多さ」より「1番手と2番手の価格差」のほうが重要になります。なぜなら、売主が「オークション取引」を選択する目的は、あくまで「市場の最高値で売却すること」だからです。いくら人札総数が多くなっても、それが市場の最高額を引き出すことに直結しなければ、売主にとっては重要な意味を持ちません。

加えて、「競り上がり方式」では、入札総数を演出することは簡単です。たとえば競り上がり方式では入札単位が決められますが、多くは「入札単位は10万円以上」となります。「入札単位をいくらに設定しているか」は、入札履歴を見れば一目瞭然です。本来なら「入札単位は、100万~200万円以上」とするような最低売却価格が数億円の事業用地でも、入札単位を10万円以上に設定すると、少しでも安く買いたい入札者が、一度に大きな金額をつけた入札は行なわず、最小単位による「小刻みな入札」を終始繰り返すことで、一気に入札総数は80〜100件程度に膨らみます。そして最後は、1番手が2番手より10万円上乗せした価格で落札し、買主は十分な余力を残すことになるのです。

「価格差がどれだけ開くか」が高値売却のポイント

競売では、1番手と2番手との「価格差」が1~3割ほど開くことは、決して珍しくありません。その要因は、「ボスティング方式」と同様に、1回勝負の入札なので「1円でも負けると落札できない」ことになるので、入札価格も1円単位の端数まで記入するところに、入札者の本気度を感じることができます。

〖スマイスター〗競売や公売と「競争原理」

競売

「競売」と「公売」の違い

競売とは、債務者が債務を履行しなかったときに、債権者が裁判所に申し立て、債務者や担保提供者が所有する不動産を、裁判所の管轄下で強制的に売却して債権を 回収する制度です。また公売とは、国や地方自治体が税の滞納処分を独自に行なうもので、国税徴収法に基づき、 官公庁が滞納税金の回収のために差し押さえた不動産を換価する手続きのことです。

競売と公売の違いは、債権者が民間で管轄が裁判所となる競売に対し、公売は債権者が官公庁で管轄が国または地方公共団体となります。また、対象不動産に非協力 的な占有者が存在する場合、競売では引渡命令の申立て による強制執行制度がありますが、公売では所有権に基づく明渡請求訴訟を提訴し、勝訴した上で強制執行となるため、競売と比べて時間と費用を多く要します。
その他では、「市場価格より2~3割安い」「入札方式 で売却される」等、競売と公売はほとんど同様のシステムとなっています。

競争原理が「市場相場の上限価格」を引き出す!

競売や公売による入札方式では、地域によって違いはありますが、人気がある地域では落札価格の上昇や入札本数の増加、高水準の落札率等の傾向が続いています。ある民間調査によれば、2014年上期の関東エリア 「1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)における不動産競売物件は、2010年以降は減少傾向にあるものの、 入札状況は高水準を維持しており、落札率は東京地裁本庁の8・1%を筆頭に、周辺地域でも3%台後半の高い落札率を維持しているようです。また落札価格も上昇が続いていて、「対売却基準価額乖離率中央値」は各都県で1.5倍超となっています。

とくに マンションでは横浜地裁本庁の1・8倍を筆頭に、軒並 み1・6倍超と落札価格の上昇が続いています。

競売も公売も、より多くの回収を公平に行なうことが目的なので、入札方式という競争原理が買手の購入意欲 を刺激して、落札時点(売却時点)における「市場相場の上限金額」を引き出すことになっているのです。

〖スマイスター〗農地転用と開発行為

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農地転用は開発行為となる!?

農地を売却するには、農地法に基づく許可や届出が必 要となり、これを経ないで不動産取引を行なっても効力が生じないことになります。全国の市町村に置かれた農業委員会では、農地等の利用関係に関する事務を行なっていますが、農地の売却では様々な規制があります。たとえば、農地を転用目的で不動産開発業者に売却する場合は、農地法第5条により、許可または届出が必要になり、これらの手続きは原則として開発行為を伴います。

開発行為とは、「主として建築物の建築等の目的で土地の区画形質を変更する」ことで、「区画の変更」とは、敷地内に道路を築造して建築区画の分割を行なうような場合を言います。「形質の変更」とは、土地の形状や性質を変更することで、切土や盛土等によって宅地の高さを変更したり、宅地以外の土地(農地等)を宅地に変更する場合を言います。つまり、田畑として使用している農地が住宅用地となる場合には、「区画形質の変更」となることから開発行為に該当し、開発行為を行なうには都市計画法第3条に基づき、事前に都道府県知事の許可 (開発許可)を受けなければならないとされています。

 

「宅地有効率」という指標で価格を考える

開発許可の技術基準は、環境保全や防災の観点から適用されるため、地域全体の価値は上がりますが、売却対象である農地の取引価格は下がることになります。たとえば開発許可基準により、全体敷地面積の約3~4割部分が敷地内道路や転回広場等に当てられ、最終的には管理者となる市町村へ移管されることもあります。そうな ると、買主(不動産開発業者)が再販分譲できるのは、道路や転回広場を除く全体敷地面積の6~7割(宅地有効率8~8%)となり、開発許可基準が適用されない場合と比較して、単純に農地価格は3~4割減になります。

その他にも、開発許可基準に基づく給排水施設の整備 や周辺利害関係者の同意に関連して、周辺施設の整備が 必要となれば、整備費用は仕入原価となり、農地価格を 引き下げることになります。結果的には、価格の下落分 は公共施設への寄付となるので地域への貢献となります。

〖スマイスター〗擁壁で売却価格が下がる?

擁壁

不動産担当者がため息をつく擁壁

土地の売却依頼で現地確認に行ったとき、担当者がため息をついてしまうこととは。ため息の原因は、行政の許可なしに、無断で施工した擁壁であることがあるようです。

通常、一定の規模を超える宅地造成工事を行なうには、 行政による許可を受けなければなりません。行政としては、宅地造成で造られた擁壁が強度不足等で簡単に崩壊するようでは困るので、鉄筋コンクリート造等の頑丈な構造にするよう、各種専門家による緻密な計算によって 技術基準を設けています。

しかし、宅地造成区域外であったり、一定の規模以下であったり、農地である場合は許可を受ける必要はなく、 所有者は当面のコストだけを考えて、必要最低限の強度の「簡易なもの」を造ることがよくあります。ブロック擁壁などを見かけることも少なくありません。一部ブロック擁壁で、残りが鉄筋コンクリート造のものもあれば、全体の3分の2ほどがブロック擁壁になっているものもあります。法律に違反しているわけではないので、将来ずっと保有し続けるのであればいいのですが、 売却するとなってくると事情は大きく変わってきます。

「擁壁の再施工費用」は取引価格を引き下げる!

買主はその土地を使用収益するために購入します。購入目的が、青空駐車場や資材置き場であれば問題は少ないかもしれませんが、多くの場合は建物等の構造物を建染します。そうなると開発許可や宅地造成許可を取得する必要があります。しかし、無許可で施工された擁壁は、 新たに建築する建物を想定したものではないので、原則 として「造り直し」となる可能性が高くなります。

取引価格を算出する際には、この「造り直し」に要する宅地造成費用が重くのしかかり、価格自体を大きく引き下げることになるのです。その土地が一定規模以下で開発許可の対象外であったり、宅地造成規制区域外である場合でも、新たに建築する建物の建築確認申請では、建物の敷地となる「地盤の安全性」が確保されていなければ許可されない可能性が高く、やはり造り直しを余儀なくされることになるのです。

不動産売却の際の困らないように、擁壁設置の場合には直近のことだけを考えず、長期的な目線での設計が必須となります。

〖スマイスター〗売却情報の露出

広告

不動産の広告は「広く、多く」すれば高く売れるのでしょうか。

を検討する方の多くが「水面下の情報」を希望します。 不動産を売却する場合、不動産会社は広域に広告活動を行なうことで買手を募ります。新築分譲マンションや中古住宅、収益不動産など、チラシや新聞広告、インターネット広告等では不動産売却情報が毎日溢れています。

不動産売却情報が広く発信される理由として、

  1. 売主は少しでも高値で売却したい
  2. 高値売却の確率を高めるには、数多くの買手候補を見つけることが必要である
  3. 優良な買手は特定できないため、不特定多数に対する広域な広告媒体で発掘するしかない、

等があります。

確率で考えれば理にかなっていますが、一方で様々な事情で広告はもちろんのこと、広く人目にさらされることを嫌う売主も数多くいます。たとえば相続不動産や任意売却不動産です。相続した実家や先祖代々の土地等を売却する場合やローン支払いが滞って任意売却する場合は、世間体もあり、こっそり売却したい人は多くいます。

売却情報は「周知され過ぎる」と価値が下がる?

不動産広告のしかたに関しては、賛否が分かれるのも事実です。不動産の購入を検討する方の多くが「水面下の情報」を希望するという声もあります。広告でよく見かける物件情報を見ると冴えない表情をする人も少なくありません。

これは、何を意味しているのでしょうか?

不動産業には、情報産業としての側面があります。不動産会社は、収集した物件概要や取引条件等の情報を消費者に発信し、消費者はこれらの情報をもとに購入するか否かを検討します。そして、情報発信の手段である不動産広告は、あまり露出や拡散が行き過ぎると、見る側が情報自体に慣れてしまい新鮮味が薄れてしまうことも少なくありません。

消費者の心理としては、「頻繁に目にする – 売れ残っている」と思い、「周囲が手を出さないということは、自分が気づかないだけで何か問題があるのか?」と疑問を持ち始めることさえあります。

とくに横並び意識が強いわが国では、「周囲が買わないもの =価値が低いもの」となって、ますます売れにくくなり、手垢のついた物件の価格はどんどん下がってしまうことさえ少なくありません。

不動産情報の露出や拡散のさじ加減は、物件価値を左右するといえるでしょう。